「天・地・人」の3要素が重要な野菜。それが、私たちの作る「アスパラガス」です!アスパラガス栽培には、大きく分けて2種類「露地栽培」と「ハウス栽培」があります。私たち「フルタイムファーム」では、それぞれの特性を生かして露地約9300㎡、ハウス約1200㎡の敷地で、心をこめてアスパラガスを無農薬で栽培。皆さんに、美味しく安全に食べていただける商品作りを行っています。

  • 土壌づくり

    元気な大地と恵まれた天然水から生み出されるパワフルな「アスパラガス」

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    食物を栽培するうえでまず必要になるのが、元気な大地。アスパラガスを栽培するのに適した土壌づくりには5年もの歳月を要しました。土壌は、栄養分がなくなると酸化(=老い)てしまう。それを予防しながら土壌に栄養分を蓄える必要があるのです。そこで用意したのは、200キロもの活性炭(高温で焼かれた粉炭)。活性炭にはマイナスイオンを作り、酸化を予防するチカラがあるからです。私たちは畑全体に、直径1メートル・深さ1.3メートルの穴を20メートル間隔で造り、そこに活性炭を埋めこみました(炭埋)。
    すると土壌からはマイナスイオンが供給され、野菜の栄養を高めるエネルギーとなるのです。また、土中に棲む有用微生物や昆虫、ミミズなども増加。微生物たちの分泌物が土を団粒化させていくのです。団粒構造の土は、保水性、排水性、通気性に優れた元気一杯の土に。
    また、元気な大地作りに欠かせないのが肥料。私たちフルタイムファームでは、健全な有機肥料を使っています。主に使っている肥料は2種類。まず、米ぬかや油かす、魚かすなどを混ぜて発酵させたものをファームで作っています。もうひとつは、細かい木屑に牛糞などを混ぜ合わせて完熟させたもの。これは地元十勝の酪農農場から購入しています。
    そしてもうひとつ、私たちフルタイムファームの土壌に欠かせないものは、水。北海道上川郡清水町は読んで字のごとく、水が綺麗なのが特徴です。毎年「清流まつり」が開催され、水にとてもこだわっている土地なんです。

  • 天候

    北海道・十勝地方でアスパラガスを作る理由

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    四季がはっきりした北海道・十勝平野はアスパラガス作りに最適な土地です。
    温暖化が進む昨今。わたしたち農家にとって、“どこで、何を作るか”を決めることは、死活問題です。もちろん農業技術や農薬の開発は日々進化しています。けれど農業を行ううえで、自然現象である「天候」を無視することは不可能。…かつては不可能だと言われていた「米」ですら、温暖化の影響で、北海道で作ることができる時代なのですから。
    アスパラガス作りには、夏は温かく冬は寒いという四季がはっきりしていて、日々の朝晩の温度差も激しい土地が適しています。また、種植えから出荷までに3年という長い期間を要する農作物ですから、温暖化の影響で数年後には環境が変わってしまっては困ります。10年先、20年先を見据えての土地選びが必要でした。このすべての条件を満たしていたのが「北海道・十勝平野」だったのです。
    もちろん、十勝平野の空気感や地元に住む方々の人柄、暮らしやすい環境なども、「ここで農業をしよう!」と決めた理由のひとつ。自然現象の「気象」とともに、その土地の「気性」も大切だと私たちは考えています。

  • 無農薬アスパラガス 栽培の四季

    365日「管理」する。それがフルタイムファームの無農薬アスパラガス栽培です

    春

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    3月、十勝地方にはまだ雪が残っています。肌寒いなか、アスパラガス作りはスタート。35℃まで温めた育苗ハウスに種をまき、発芽を促します。順調ならば、2週間位で発芽。その後、育苗を行います。天候変動の激しさに、適時対応しながら、ハウスの窓の開閉や電熱マットの温度設定、水やりを行います。そんなつきっきりの「管理」が約2ヶ月。
    その後、露地の畑へ植え込み(定植作業)に。機械で植え込む農家が多い中、ファームはすべて手作業で行います。ちなみにその数は、約2700株!
    さらに、アスパラガスの株元ひとつひとつに抗酸化作用の高い粉炭を埋めています。
    2年目以降の3月には、有機肥料の牛糞をハウス一棟につき4~5トン入れ、土壌作りを行います。これは、大人3人で丸3日かかる作業。4月初旬、アスパラガスが発芽したら、決まった時間にスプリンクラーを使って水やりを行います。

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    夏
    6月から9月中旬には、有機栽培の最大の仕事、除草作業がスタート。小さなトラクターを走らせ、畝間を除草します。それでも取りきらない部分は、もちろん手作業。炎天下の中、中腰での作業が延々と続きます。
    また、1年目~2年目の茎は細いので、伸びた茎を倒れないように紐を渡します。茎を立て、葉を展開させるように固定。しっかり光合成することで、アスパラガスの根に養分を貯蔵できるのです。ちなみに、いくら紐を渡しても強風が吹くと倒れてしまうので、天候が悪いときは、頻繁に畑を巡回して一本一本茎を起こしています。
    さらに、フルタイムファームでは農薬を一切使いません。なので虫が発生すると、一匹ずつ手で取ることに……。また、病気予防のために、納豆などの食品を使った自家製の防除剤をまいています。
    秋

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    寒くなると、ハウスも露地のアスパラガスも茎が黄色に変色し枯れます。ハウスの枯れた茎は、すべて刈り取ります(露地は茎を刈らずに越冬)

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    冬
    11月下旬~12月初旬、初雪が降り、ハウス内のアスパラ株は完全休眠しています。1月からは、春に備えて肥料を与えます。
  • 収穫&出荷

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    3年目の春を迎えるとついにアスパラガスは収穫の時期に。1日に15㎝ほど伸びるので、1日2回、毎日朝夕に分けて収穫するという忙しい日々を過ごします。
    一般的にアスパラガスを出荷するときには、結束テープを巻いてから出荷するのが基本。それは、生命力の強いアスパラガスは、切り取った後もまだ成長を続けているから。結束テープを巻かず、寝かせて置いていると上方に向かって伸びようとする可能性があるんです。
    しかし、フルタイムファームのアスパラガスには結束テープを巻きません。収穫後に生じるゆがみは、保管するとき立たせて置けば避けられるはず。それよりも、テープを巻くことでアスパラガスが持つパワーが衰えてしまう可能性があることのほうが問題だと、私たちフルタイムファームは考えています。

    *フルタイムファームのアスパラは現在、ハウスが3年目、露地の一部が3年目、大部分が2年目です。来年春はハウスと露地すべてが収穫を迎えます。

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